変わった花形「ペロリック咲き」
胡蝶蘭の中には、左右の花びらが中央のリップに似た形になるものがあります。このような花は「ペロリック咲き」と呼ばれています。 個性的で華やかな見た目をしていますが、普通の胡蝶蘭とは何が違うのでしょうか。
普通の胡蝶蘭との違い

一般的な胡蝶蘭の花には、3枚の萼片と3枚の花弁があります。
3枚の花弁のうち、左右の2枚は丸く広がり、中央下側の1枚だけが「リップ」と呼ばれる特別な形をしています。リップは、受粉を助ける昆虫を花の中心へ導く役割を持っています。
ところがペロリック咲きでは、左右の花びらにもリップの特徴が現れます。
変化の程度はさまざまで、リップのような色や模様だけが現れるものもあれば、左右の花びらが完全にリップのような形になるものもあります。変化が部分的な花は「セミペロリック」と呼ばれることがあります。
花の形は遺伝子によって決まる

胡蝶蘭の花が作られるとき、それぞれの花びらでは「どのような形になるか」を決める遺伝子が働きます。
その中でも重要なのが、MADS-box遺伝子と呼ばれる遺伝子のグループです。これは花の設計図を読み取り、それぞれの部分を萼片、花弁、リップなどに作り分ける役割を持っています。
普通の胡蝶蘭では、リップを作る遺伝子が主に中央の花びらで働きます。ところが、その働きが左右の花びらまで広がると、普通の花びらがリップに似た形へ変化します。
次に咲く花も同じ形になる?
品種として販売されているものであれば、次の開花でも同じような花が咲く可能性が高いです。
一方、普通の胡蝶蘭に一輪だけ変わった形の花が咲いた場合は、一時的な変化かもしれません。その場合、次の開花では普通の花に戻ることがあります。
安定した特徴かどうかは、次の点から判断できます。
「同じ花茎の花がすべて同じ形か」
「別の花茎でも同じ形が現れるか」
翌年も同じ花が咲くか 何度咲いても同じ形が現れるなら、比較的安定した性質だと考えられます。
まとめ
ペロリック咲きは、左右の花びらにもリップを作る遺伝子の働きが現れることで生まれます。
その原因には、遺伝子そのものの変化や、遺伝子の働き方の変化、組織培養中に起こる培養変異などが関係していると考えられています。
整った形の胡蝶蘭も美しいですが、少し変わったペロリック咲きにも、普通の花にはない魅力があります。皆さんは、端正な普通咲きと個性的なペロリック咲きのどちらにひかれるでしょうか。











